こんにちは、夏目江理です。
こちらの記事は、下の過去記事の続きです。主人公・Tくんの激動の半生をじっくり書いているので、こちらを先にお読みください!٩( ‘ω’ )و
関連記事>>【前編】会社辞めて馬と生きる双極性障害の27歳が、死に場所作りをする理由」
もくじ
Tくんの半生をざっくり説明(念のため)
・なつえりとTくんは小学校からの同級生で、仲良し
・Tくんは順風満帆な人生に見えても、心には余裕がなく、会社でうつと診断され辞職
・その後、双極性障害・自閉症スペクトラム・HSP・境界性パーソナリティ障害など、様々な症状を経験
・根っからの馬好きで、馬と結婚したいド変態
・LINEしていて、文章に「ま」が入ると、前後に無理やり「うま」って入れてくる(例:まじでありがとう。うま。うまじで。)
・それ、いらないからまじでw うまじでw
・でも色々あって全部吹っ切れて幸せになれた(過去記事参照)
・いまは牧場で働き、大好きな馬と一緒に生活している。夢もある!!
・ちなみに顔は「オーランドブルームを日本人にした感じ」
※しかし、カスピ海より深い事情により、アイコン画像はまたもや「笑う馬の顔面画像」です。ご了承ください。
会社を鬱で休職したTくんを目覚めさせたのは・・「馬」だった!
Tくんは小さい頃から、馬に会ったことないのになぜか馬に惹かれていたらしい。
むかーしむかし。
Tくんのひいじいちゃんが子どもの頃に、薪を運んでくれる馬がいたそう。
とある日、遠いところまで馬車で薪を運んだら、帰り道に眠くてずっと寝てしまい、馬に指示が出せなかった。
しかし、馬はなんと一人で考えて、気づけばちゃんと家に連れて帰ってくれていた・・!
その時Tくんは、「馬には人と同じ、心があるんだ」といたく感動したのでした。
今思えば、大手企業に就職したのも「お金を稼げば馬に乗れると思った」からだったんだなーと気づけるんだけど。
馬に憧れすぎて、「自分が近づいてはいけない対象」だと思っていたんだよね。
前世でなんか馬と深い縁があったんじゃないか?
もしかして、スーホの生まれ変わり?!
「人はこの世に二度生まれる」Tくんの心が救われた経験。
Tくんが仕事を休んで悩んでいた時、
友達が、とある県の牧場に乗馬しに行くと知った。
直感で「僕も行っていい?」と聞いて、一緒に行くことになったそう。
「馬と生きていきたい」
「馬と関わる人生にしたい」
という想いがムクムクと湧いてきた。
でも、たしかに馬に強烈に惹かれたけれど、
籍を置いている会社への恩や、申し訳なさが襲ってきた。
「馬と生きる人生にする」って、その場では判断できない自分がいた。
・・・でも、やっぱりその時の感動が忘れられなくて、
またその牧場に足を運ぶことになった。
その経験が、Tくんの人生を大きく変えることになる。
乗馬しに行った牧場主のおじちゃんは、実はうつの経験者だった!
いろんなものを捨てて、馬と生きる人生を選んだ当事者で、親しみがもてた。
そこで、おじちゃんに色々と打ち明け話をしたら、ものすごい勢いでこう言われたんだよ。
「あんたは真面目すぎる。全部捨てろ。親も会社も彼女も全部捨てて自然に帰れ!」
「そんなに馬が好きなら、馬に乗りながら木に頭をぶつけて死ね。」
「この牧場で死んでいい。」
「大好きな馬と一緒に死ねるなんて、最高の幸せで、嬉しすぎる。」
「ここを自分の”死に場所”にしていいんだ。」
その瞬間、
感動も、悔しいも悲しいも、怒りも、嬉しいも、
いままで心の中で押し込めてきた感情がぜんぶ解き放たれて、溢れ出して止まらなくなった。
失っていた「情動」というものを思い出した体験だった。
Tくんの閉ざされた心は、
「ここで死んで良い」という圧倒的な受容と、
「大好きな馬と一緒に生き、そして死んでいい」という嬉しさによってグワッとこじ開けられたのです。
Tくんは、牧場で大声を出して泣きました。
ひたすら泣くままに泣きました。
生まれたての赤ちゃんみたいに泣きました。
これは、じぶんの産声なんだ。
人は肉体として一度生まれるけど、こうしてもう一度生まれるのかもしれないな。
そんなことを考えたよ。
だから、その日は僕にとっての二度目の誕生日。
・・・泣いて泣いて、なにも無くなったまっさらな自分を見つめた時、
僕の中に残ったものは、
「馬が好きという気持ち」
だと気付いた。
それに気づいたTくんは、もう迷いませんでした。
今までずっと顔色を伺っていた親の反対も振り切って、後先も考えずにおじちゃんのところに移住。
いま、牧場で仕事をしながら馬に触れ合う生活を送り、幸せを感じているといいます。
感覚としては、「裸で歩ける感じ」。
森の中の浅い湿地のなかに春の花が芽吹き、
今日も穏やかでいい天気だな・・と感じられる。
首を通る風が気持ち良かったり、犬を撫でるのすら愛おしい。
自分を壊すことができ、Tくんはやっと穏やかさを手にしたのです。
今後Tくんがやりたいことは「馬屋のB&B」という場づくり
Tくんが、牧場のお仕事の次に実現したいことは何ですか?
もちろんずっと馬と一緒に暮らすこと!
そして、牧場のおじちゃんが自分に与えてくれたように、死ぬまでに行きたい場所を作ること。
これを叶えてくれるのが、自分にとっては「馬屋のB&B」を作るという夢なんだ!
ああ、こういう風に自分がやりたいことを人に言えるようになれて嬉しい。
具体的には、客室は半地下になっていて、窓から外に出なくても馬が見える構造。
お客さんにとってデリケートな時期でも利用してもらえるように、無人チェックイン・アウトができる。
家庭菜園の素材で、手作りの料理を提供する。
家出をしてきた人でも使えるように、価格を安くしたい・・などなど。
アクセスが悪いと、訪れる人のハードルになってしまうから、使いやすい場所に作りたいね。
スゴイ現実的なイメージがあるんだな〜。
馬屋のB&Bの実現、わたしはマジで応援する。
それにしても、こいつ・・「馬の変態」だ
Tくんがあまりに馬が好きすぎて、なつえりは時々困惑します。笑
僕は馬と結婚したい。
基本的に馬はみんな好きになれる。
でも、イケメン・美人過ぎる馬だと隣に並べないこともある。
タイプの馬は、がっちりしてておっとりしていて、
心が綺麗で、毛並みがつやつやしている、そんな馬だ。
性格イケメンの馬もいて、ドキドキしちゃうね。
完璧な性格の馬もいて、うっとりすることもある。
そんな時の自分の顔は、ニヤニヤしている。
馬は人と一緒で、いろんな性格、いろんな体格がある。
それは褒め言葉です。
うちの馬はシャンプーしてないから、乗馬クラブとかの人が見たら「汚っ!」てなるかもだけど、
これが馬の健康で自然な姿だと思ってる!
あ、あと馬の精巣を食べたこともあるよw。
馬の見た目も、魂も、肉も、匂いも、馬の全部を愛してる。
匂いに関しては、牛に比べて少しすっぱい感じの匂いだね。
まず「牛に比べて・・」という比較が一般人にはピンときませんし。w
どんくさい馬は引き馬になるし、
早い馬はレースで活躍する。
ちっこくて、ぼーっとしてる馬は子どもを乗せる役割になる。
世界は本来、適材適所でほんとにうまくできているものだよ。
記事のタイトルを、「ゲロまみれで馬のおしりを追いかけた日々」にしてくれてもいいのに。
きっと馬の変態が集まる、濃すぎるブログになるであろう。
なつえりが思ったこと。メンタル弱い?むしろ最強じゃん。
Tくんは一見、メンタル関連の症状をたくさん経験しているので、
「繊細でメンタルが弱い人」と思われがちかもしれません。
でもむしろ、なつえりはTくんのメンタルは強いと思うんです。
だって、これだけの試練を抱えて、それでも生きているんだからね。むしろ最強だよ。
・・それにしても、障がいとか抜きに、本当にいろんな個性を持った人がいるよなと思いました。
個性っていうのは、ただ単に性格とかだけじゃなくて、
思考回路や、それこそ五感の感じ方など、生き物としての根本的なところから全然違うことがある。
以前、共感覚を持っているまさみんとお話した時にも思ったんですけど、そもそも、文字に色がついて見えたり、その人の色とかオーラとかが見えるような人だって存在してるわけで・・。
関連記事>>あなたは何色?世界が虹色に見える美少女に未来を占ってもらった
でも、そういう人たちはいわば大多数の「定型的」な見え方・感じ方をする人たちからしたら、マイノリティになるんですよね。
そこで、孤独を感じたり、世界から取り残される感覚になることもある。
でもどんな個性を持っていても、絶対に一人じゃないから大丈夫って断言するよ!
Tくんが書籍や体験談ブログを読んで救われたように、なつえりも、自分や誰かの経験を発信することで、居場所を作れるような人になりたいなあって気持ちが湧いてきました。
「じゃじゃ馬じゃないと勝てないレースもある」というTくんの言葉があります。
Tくんも、私も、これだけ強い自我をもつじゃじゃ馬なのだから、自分にぴったりのレースを見つけて、そこで圧勝してやろうじゃありませんか!٩( ‘ω’ )و
少しでも、Tくんの体験やこれから描く夢が、誰かの希望になりますように!
それでは、お読みいただきありがとうございました。
★この記事を「前編」から読む場合はコチラ!
【前編】会社辞めて馬と生きる双極性障害の27歳が、死に場所作りをする理由」
Tくんが厳選してくれた、うつ・双極性障害さんのための良著もあるよ〜〜〜!
関連記事>>うつや双極性障害の人向け!経験者が厳選するメンタル系のおすすめ本9選!